５ナンバー枠内のコンパクトハッチでここまで楽しめるクルマは残念ながら今の国産車には無いと思っている。決してエコ一辺倒ではないが、自分の場合全くエコランを意識せずとも平均的に13km/l程度では走っており燃費もスポーティーな雰囲気を味わえる割に悪くない。ただ、国産コンパクトより値が張る点は人に勧めるとなると難しいポイント。クルマが好きな人でないと分かってくれないレベルの価格差だと思う。ベタだけど、1.4l TSIエンジンと7速DSGの組み合わせは良い。1.2tの車重に179馬力と250Nmのトルクは十分以上の出力があり、走りも楽しい。慣れるまでは低速走行で少々ギクシャクすると思うが、DSGへの慣れで解消が可能。

安全装備を中心に色々と日本車との設計思想、ポリシーの違いを感じます。自動車評論家評で、日本車では追いつけない云々なんて評がありますが、そういうことではないと思います。日本の多くのメーカーとは①エコの考え方が違う②設計上の優先順位が異なり（燃費・経済性を重視しつつも、それ以上に）安全性と静粛性なども含めた快適な運転に高い優先度を付けて設計し作られたという感じがします。まず、エコについてはレアメタル、レアアースや化学品を大量に使用しそのリユース・リサイクルが確立していないハイブリッド車はライフサイクルで考えればエコではない。当分の間は内燃機関でのエコを追求する。という思想があると感じます。次に国産車に乗ったこともあり、別のドイツの民族系メーカーの車にも長年乗っていましたが、ＶＷに限らずドイツの民族系メーカーは、「安全性では最高水準のものを提供する。」というポリシーがあるように感じます。（ドイツ本国では日本製のコンパクトカーと値段帯は変わらないとの記事をみたことがあり本国では値段の点でも十分に競争力があるのでしょう。また、ＶＷにすれば「経済性（安さ）最重視の方は、シャーシーがＰＯＬＯと共通の子会社スコダ・オート社やセアト社製の製品をどうぞ」という面もあるのでしょう。）

エンジン出力の違いがあるとは言え、国産コンパクトより重い。フロントヘビーになるのでFF的にはキツイ点がある。バッテリーをリアに移すなどの工夫は見られるが、大幅な改善とは行かないはず。また、各種快適装備などはGOLFには勿論かなわない。GTI同士で比べた場合GOLFとの価格差は大きくないため、サイズ等のPOLOにする明確な理由が無い場合はGOLFを選んでおいた方が良さそう。

渋滞や信号の多い街走りでの燃費は、このクラスの国産ガソリン車に大差があるわけではないもののハイブリッドなどの日本車よりは悪いレベルでしょう。また、出足も含めた低速時の加速は良いこともあり、アイドリングストップは欲しいところです（バッテリーの負荷やその交換頻度を考慮して付けなかったのならその旨ＰＲした方が良い）。それ以外、この大きさでは良くできていると思います。